亡くなった人の財産の処分方法は、相続の他に遺贈と死因贈与があります。
どちらも、生前に財産を無償で与えることを指定しておくものであり、死亡後に財産が移転します。

 

遺贈ってなに?

遺贈とは、遺言によって他人に財産を無償で与えることです。
遺言によって財産を与える人を「遺贈者」といい、受け取る人を「受遺者」いいます。

 

遺贈には包括遺贈と特定遺贈があります

包括遺贈とは

包括遺贈とは、「財産の10分の1をAさんに遺贈する」というように、遺言により財産を割合で受遺者に遺贈することです。
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を持っています。
ただし、相続時にすでに受遺者が死亡していれば遺贈は無効になります。

特定遺贈とは

特定遺贈とは、「家は長男に相続させる」など、特定の財産を遺言により指定することです。
包括遺贈と同じく相続時にすでに受遺者が死亡していれば遺贈は無効になります。

 

遺贈を放棄する方法

包括遺贈の放棄

包括遺贈を放棄するには、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申立を行わなければなりません。

特定遺贈の放棄

特定遺贈の放棄は、遺言者の死後いつでも自由に行うことができます。
遺贈の放棄をするという意思表示だけで、家庭裁判所への申し立ては必要ありません。

 

死因贈与とは

死因贈与は、人の死亡によって効力が発生する贈与契約です。
贈与者の意思と受贈者の意思が合意することで成立します。
負担のない「単純死因贈与」の場合は、いつでも取り消すことができますが、「負担付き死因贈与」の場合で、負担が履行されたときは、取り消すことができない場合がありますので注意が必要です。