教育資金は人生の三大資金といわれています。
子供が出産した時点で必要となる時期と金額がある程度予測できますが、住宅ローンの支払いや老後資金準備などと重なり気づいた時には足りないとならないように早めの準備が必要です。
今回はそんな教育資金について実際にどのくらい費用がかかるのか、また準備するにはどのような方法があるのか見ていきたいと思います。
この記事の内容
教育費の必要額
教育費の必要額は、私立・公立によって大きく異なってきます。
文部科学省が大まかな教育費を公表していますのでまずは金額を把握していきましょう。
■子供1人あたりの教育費
上記の資料から幼稚園から大学まですべて公立へ通わせた場合は約800万円、すべて私立へ通わせた場合は約2、200万円と1、400万円もの差がでてきます。
したがって、予め公立か私立どちらに通わせるかも前もって考えておくことが大切になってきます。
教育資金計画の手段
教育資金計画の手段には、保険、金融商品を利用して積立する方法や親族等からの資金の贈与または公的教育ローン・奨学金制度などを活用する方法があります。
こども保険
こども保険は、子どもの進学に合わせて祝い金が支払われたり、満期時に満期保険金が支払われる保険です。
大きな特徴は、契約者である親が死亡または高度障害になった場合、その後の保険料が免除されますが、祝い金や満期保険金は支払われるところにあります。
ただ、将来の受取金額が決まっているので金利が上昇した場合、他の金融商品より不利になる可能性もありますので注意が必要です。
一般財形貯蓄
一般財形貯蓄は、給与から天引きして行う積立貯蓄です。
目的は自由で積立期間は原則3年以上、積立限度額はなく複数契約も可能です。
貯蓄開始から1年経てば、払い出しがいつでも自由にできるというところも大きな特徴です。
金融商品による積立
金融商品には、預貯金、投資信託、株式、公社債などがありますが元本割れをおこす可能性もありますので、安全性の高い運用を心がけることが重要です。
教育資金贈与による活用
直系尊属が30歳未満の子や孫へ教育資金を一括贈与した場合、受贈者ごとに1,500万円までの金額が非課税となります。
信託銀行などの金融機関に子・孫の名義の口座を作り、お金を預けることで利用できます。
公的教育ローン
公的機関の教育ローンとして日本政策金融公庫の国の教育ローン(教育一般貸付)があります。
世帯年収が一定基準以下の保護者を対象としており学生・生徒1人につき350万円まで借り入れ可能です。
返済期間は最長15年、固定金利で民間の金融機関より低く設定してあります。
奨学金制度
奨学金の代表的なものとして日本学生支援機構の奨学金制度があり、返還義務のある貸与型と返還義務のない給付型が利用できます。
貸与型奨学金
貸与型には、利子のつかない第一種奨学金と、利子のつく第二種奨学金があります。
第一種奨学金 | 第二種奨学金 | |
利子 | 無利子 | 有利子(年利3%上限)
在学中は無利子 |
選考基準 | 特に優れた学生で経済的理由により著しく修学困難な人 | 第一種奨学金よりゆるやか |
家庭の収入が一定基準以下であること | ||
返還方式 | 定額返還方式と所得連動返還方式 | 定額返還方式のみ |
その他 | ・第一種奨学金と第二種奨学金をあわせて受けることも可能
・利息付きの入学時特別増額貸与奨学金(最高50万円の一時金)と併用可能 ・期間保証か人的保証のいずれかを選択する |
給付型奨学金
2020年度から給付型奨学金の対象となれば大学や専門学校等の授業料と入学金が免除または減額されるようになりました。
選考基準
1,学力基準(いづれかに該当すること)
①高等学校等の成績の平均値が、5段階評価で3.5以上であること。
②将来の目標をもち進学しようとする大学等における学修意欲を確認できること。
2、家計基準(いづれにも該当すること)
①住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯であること。
②学生を含む遺産合計が生計維持者2人は 2,000万円未満、1人のときは1,250万円未満であること。