はじめに:高齢期に備える「介護とお金」の話

 

日本の平均寿命は年々伸び、人生100年時代と言われるようになりました。
元気なうちは「まだ先の話」と思っていても、やがて来る高齢期に備えて、介護制度や社会保障について知っておくことは、自分自身のためだけでなく、家族のためにもとても大切です。

この記事では、介護制度や高齢者をめぐる社会保障制度について、初めての方にも分かりやすく解説します。

 

介護保険制度の基本

 

介護が必要になったとき、公的な支援を受けられるのが「介護保険制度」です。
40歳以上の国民全員が加入し、保険料を支払うことで、いざという時にサービスを利用できます。

誰が利用できるの?

  • 65歳以上の方:原因を問わず、介護が必要と認定された方が利用できます。
  • 40歳から64歳の方:特定疾病(※)により介護が必要と認定された方が利用できます。

※特定疾病とは?

脳血管疾患(脳卒中)や初老期における認知症など、老化が原因とされる16種類の病気のことを指します。

どんなサービスが受けられるの?

主に以下の3種類のサービスがあります。

  1. 在宅サービス:自宅での生活を支援するサービスです。
    • 訪問介護:ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(入浴、排せつ、食事介助など)や生活援助(買い物、掃除、調理など)を行います。
    • 訪問看護:看護師などが自宅を訪問し、医師の指示に基づいた医療ケアを行います。
    • 通所介護(デイサービス):施設に通って、食事や入浴、レクリエーションなどを楽しむサービスです。
    • 短期入所生活介護(ショートステイ):短期間施設に宿泊し、介護や機能訓練などを受けるサービスです。
  2. 施設サービス:施設に入所して生活するサービスです。
    • 特別養護老人ホーム:常に介護が必要で、自宅での生活が困難な方が入所する施設です。
    • 介護老人保健施設:リハビリテーションを中心とした医療ケアや介護を受け、自宅復帰を目指す施設です。
  3. 地域密着型サービス:住み慣れた地域で、小規模なサービスを受けることができます。
    • 小規模多機能型居宅介護:1つの事業所で「訪問」「通い」「泊まり」を組み合わせたサービスを受けられます。

 

高齢者をめぐるその他の社会保障制度

 

介護保険制度の他にも、高齢者の生活を支える様々な制度があります。

 

1. 公的年金制度

 

老後の生活を支える最も基本的な制度です。20歳から60歳までの国民が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。

 

2. 医療保険制度

 

75歳以上になると、「後期高齢者医療制度」に加入します。原則として医療費の自己負担額は1割、現役世代並みの所得がある方は3割となります。

 

3. 高額療養費制度

 

医療費の自己負担額が、ひと月の上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。医療費の自己負担が大きくなったときに、家計の負担を軽減してくれます。

 

4. 高額介護サービス費制度

 

介護保険のサービスを利用したときの自己負担額が、ひと月の上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。医療費だけでなく、介護サービスの自己負担額にも上限があることを知っておきましょう。

 

おわりに:知って、備えることが大切

 

介護制度や社会保障制度は複雑で分かりにくいと感じるかもしれません。
しかし、いざという時に慌てないためにも、制度の仕組みを少しずつ理解していくことが大切です。

もし分からないことがあれば、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう、専門家が親身に相談に乗ってくれます。

このブログが、皆さんの「介護とお金」について考えるきっかけになれば幸いです。